介護の現場では「優しい」だけでなく、頼りがいのある介護士であることが求められます。介護士は、ただ笑顔で優しく接するだけでは十分ではありません。もちろん、優しさは大切ですが、それだけでは利用者さんや同僚から信頼を得ることは難しいのです。では、どうすれば利用者さんや同僚から信頼され、頼りにされる介護士になれるのでしょうか?
【記事監修者】
堀池和将
~経歴~
特別養護老人ホーム勤務(ユニットリーダー)
サービス付き高齢者住宅勤務(サービス提供責任者・訪問介護管理者・施設長)
~保有資格~
介護福祉士
利用者さんにとっての優しさよりも大切な「頼りがい」
介護の現場で働くとき、優しい人であることはもちろん大事ですが、もっと重要なのは責任感を持って行動できることです。利用者さんが何を必要としているのか、どのようなケアが最適なのかをきちんと見極める力が、頼りがいのある介護士にとって欠かせません。利用者さんやそのご家族は、介護スタッフがその場の状況を理解し、的確に対応できることを望んでいます。これが「頼りがい」を感じさせる根本です。
責任感を持つからこそ、自然と優しさや配慮が行動に現れるのです。介護の仕事においては、「優しいから信頼される」のではなく、「責任感を持っているから優しい対応ができる」という意識が重要です。
信頼される介護士とは
利用者さんが最も信頼する介護士は、「しっかりと健康や安全を守れる人」です。いくら優しい言葉をかけても、実際のケアが不十分であれば、信頼は得られません。利用者さんが安心して過ごせるように、適切なサポートや対応ができる介護士こそが、頼りがいのある存在です。
たとえば、緊急時にすばやく対応できるスキルや、予測困難な事態にも落ち着いて対処できる能力が信頼につながります。また、介護士としての知識や技術を日々向上させることも、利用者さんやそのご家族からの信頼を得る重要な要素です。
実際の現場で求められる介護士の姿勢
現場で求められるのは、てきぱきとした行動力と問題解決能力です。優しさだけでなく、効率的で的確なサポートができる介護士が、最も頼りにされます。たとえば、転倒などの事故を未然に防ぐための安全対策をしっかりと取ることや、健康管理のために細かな変化に気づけることが重要です。こうした姿勢が、最終的には利用者さんの暮らしを快適にし、精神的な安定をもたらすのです。
利用者さんと信頼関係を築くためには
頼りがいのある介護士になるためには、信頼関係を築くことが基本です。そのためには、まずお年寄りやそのご家族に「この人なら任せても大丈夫」と思ってもらえるようなスキルと態度を身につける必要があります。コミュニケーションスキルも重要な要素の一つです。相手のニーズや感情を汲み取って、的確に応答する力が、信頼を深める基盤となります。
利用者さんが感じている苦しみや不安をしっかりと受け止め、共感する姿勢も信頼関係を築く鍵です。否定的な感情を無下にせず、寄り添うことが大切です。この共感の姿勢は、相手が心を開くための重要な要素となります。
まとめ
介護の現場では、「優しさ」だけでなく「頼りがい」が最も重要です。お年寄りやそのご家族に安心感を与えるためには、責任感を持ち、効率的かつ的確なサポートを提供する必要があります。優しさは信頼の一部であり、信頼を得るためには技術や知識、そして柔軟な対応力が不可欠です。介護士としてのスキルを磨きながら、頼りがいのある存在を目指しましょう。