ハロー介護職
「自分はHSPである」もしくは「HSPかもしれない」
そういった介護職の方にこの記事をぜひ読んで頂きたいです。
HSPは強みもある一方、弱く脆い一面もあり、かといって後天的に身に付いたものではなく、生まれ持った気質なため変えることは不可能。
といったところで、生きづらさを感じているHSPは非常に多いです。そして介護の仕事をしていればなおのこと「もしかして私は介護の仕事に向いていないかも…」と悩んでしまうこともあるでしょう。
そこでこの記事では
この2点について解説していきます。
【記事監修者】
堀池和将
~経歴~
特別養護老人ホーム勤務(ユニットリーダー)
サービス付き高齢者住宅勤務(サービス提供責任者・訪問介護管理者・施設長)
~保有資格~
介護福祉士
HSPと介護職の相性
HSP(Highly Sensitive Person)は、非常に感受性が強く、繊細な気質を持つ人々を指します。この特性は、介護職において長所にも短所にもなり得ます。HSPの人が介護職でどのようにその特性を生かし、適切な職場や働き方を選ぶべきかを探っていきます。
HSPとは?
HSPは生まれつき感受性が強く、外部からの刺激に敏感な人々を指します。これは環境や性格の影響ではなく、生まれ持った気質です。HSPは人口の15%〜20%に見られ、繊細で敏感な感受性を持つことで、介護の現場でその力を発揮することができます。
HSPが介護職で発揮できる強み
HSPの特性は、介護職において次のような形でプラスに働きます。
高いリスク管理能力
HSPの特性として、周囲の状況を敏感に察知できることが挙げられます。介護の現場では、利用者の体調の変化や危険な状況に素早く気づくことが求められます。HSPの方は、この能力を活かして、事故を未然に防ぐことが可能です。
人間関係の調整役
HSPは人の感情に敏感で、対人関係を円滑にする力があります。介護職は多くの人と接する仕事ですが、HSPの方は利用者や同僚との関係を良好に保つ潤滑油の役割を果たせます。
高い共感能力
利用者の気持ちに深く共感できるHSPは、利用者との信頼関係を築くのが得意です。特に看取りの場面では、HSPの人々が利用者とその家族に対して深い理解と安らぎを提供することができます。
変化への敏感さ
HSPは、利用者のわずかな変化にも気づき、早期に対応することでリスクを軽減します。たとえば、体調の変化を早く察知し、適切な処置を行うことができるのはHSPの大きな強みです。
HSPが避けるべき介護職の職場環境
HSPにとって過度な刺激やストレスは避けるべきです。以下のような職場環境は、HSPにとって過酷になる可能性があります。
急な対応が頻繁に求められる職場
特別養護老人ホームや療養型医療施設では、急変対応や看取り業務が多く、HSPの方には過度なストレスを与える可能性があります。HSPは穏やかな環境でこそ力を発揮できるため、こうした職場は避けた方が良いでしょう。
大規模で忙しい施設
HSPの人にとって、刺激が多い大規模施設は疲労感を増大させる原因となります。少人数の施設や家庭的な雰囲気のある職場が適しています。
人間関係が複雑な職場
ストレスの源となる対人関係のトラブルが多い職場は避けた方が良いでしょう。
HSPに適した介護職の働き方
HSPは、感受性が強く、環境や他者の感情に敏感に反応する特性を持つ人々を指します。介護職は他者への共感や配慮が求められる仕事であり、HSPの方にとってその特性が大いに活かされる場面も多いです。
しかし、ストレスを感じやすい側面もあるため、働き方に工夫が必要です。ここでは、HSPが介護職において快適に働くための方法を詳しく解説します。
自分に合った介護職場を選ぶ
介護職は職場環境によって大きく働き方が異なります。HSPの方には、以下のような職場が適している場合があります。
小規模な施設や訪問介護
HSPは少人数での関わりや、静かな環境を好むことが多いです。小規模な施設や、個人宅を訪問する訪問介護では、利用者と深く関わることができるため、HSPの共感力や丁寧な対応が活かされます。
デイサービスやデイケアセンター
デイサービスは、利用者が日中だけ施設を利用するため、長時間の介護よりも負担が少ない場合があります。また、日中の活動に焦点を当てるため、他のスタッフとの協力やスケジュール管理がしやすいです。
夜勤のある施設
HSPの方は静かな環境を好むため、夜間勤務が適している場合があります。夜勤は利用者が就寝している時間帯が多く、日中のような賑やかさがないため、HSPにとって快適に働ける可能性があります。
無理なく働けるスケジュールを組む
HSPはエネルギーを消耗しやすい傾向があるため、無理のないスケジュールを組むことが大切です。過度な残業や連勤を避け、十分な休息を確保できる働き方を心がけましょう。
フレックスタイムやパートタイムの活用
フルタイム勤務が難しい場合は、フレックスタイム制やパートタイム勤務を検討することが重要です。自分のペースで働ける時間帯を選ぶことで、ストレスを軽減できます。
休暇の取り方を工夫する
HSPの方は定期的にリフレッシュする時間が必要です。有給休暇や短期間の休暇を計画的に取り入れることで、心身のバランスを保つことができます。
ストレスを軽減するための環境づくり
HSPは環境の影響を受けやすいため、職場でのストレスを軽減する工夫が必要です。
職場の人間関係を大切にする
HSPは他者の感情に敏感なため、良好な人間関係が非常に重要です。同僚や上司とのコミュニケーションを大切にし、助け合える関係を築くことで、ストレスを軽減できます。
自己ケアを習慣化する
仕事の後にリラックスする時間を設けることが、HSPのストレス管理には欠かせません。瞑想やヨガ、趣味の時間を確保することで、心身をリフレッシュできます。
自分の特性を活かす
HSPの特性を理解し、その強みを活かす働き方を意識することが大切です。
共感力を活かす
HSPは他者への共感力が強いため、利用者の気持ちに寄り添ったケアが得意です。相手の気持ちを理解し、柔軟に対応できることは、介護職において大きな強みとなります。
丁寧な作業
HSPは細かい作業や丁寧な仕事を得意としています。記録業務や介護計画の作成など、細部に注意が必要なタスクを担当することで、仕事の満足感を得られます。
HSPに適した介護職の働き方のまとめ
HSPの方が介護職で快適に働くためには、自分の特性を理解し、適した職場環境や働き方を選ぶことが重要です。静かで穏やかな環境や、無理のないスケジュール、人間関係を重視した職場を選ぶことで、HSPの方でもストレスを軽減しながら、介護職としてのキャリアを長く続けることができるでしょう。また、自分の強みを活かすことで、より充実した仕事ができるようになります。
HSPに向いている介護職の職場選び
小規模施設
小規模な介護施設やグループホームは、HSPに向いていることが多いです。利用者数が少なく、スタッフ同士や利用者との密なコミュニケーションが取りやすい環境が整っています。HSPの特性である感受性や共感力を発揮しやすく、仕事にやりがいを感じやすいでしょう。
訪問介護
訪問介護は、一対一のケアが基本であり、HSPの方が落ち着いて働ける環境です。利用者との関わりが深く、個々のニーズに応じたケアが可能です。また、勤務中の環境が家庭的であることが多いため、ストレスが少なくなります。
デイサービス
デイサービスもHSPに適している場合があります。利用者が日中のみ施設に来るため、夜勤がなく、リズムの整った生活を送ることができます。また、比較的短い時間でのコミュニケーションが中心となるため、HSPが感じるストレスが軽減されることが多いです。
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HSPの介護職におけるキャリア展望
HSPは感受性が強く、他者の感情に敏感であることから、介護職において特に共感力や細やかなケアが求められる場面で活躍できます。この特性を活かしながらキャリアを積むためには、以下のような展望が考えられます。
専門性の追求
HSPの特性を活かし、特定の介護分野で専門性を高めることができます。例えば、認知症ケアや終末期ケア、精神的サポートが必要な利用者へのケアなど、感受性が求められる分野でのキャリアを積むことが考えられます。これにより、施設内での重要な役割を担うことができ、キャリアアップにも繋がります。
ケアマネージャーへの道
ケアマネージャー(介護支援専門員)としてのキャリアを目指すことも一つの選択肢です。HSPの特性である細やかな配慮や共感力は、利用者やその家族とのコミュニケーションにおいて大きな強みとなります。ケアプランの作成やチームでの連携を通じて、利用者に最適なケアを提供する立場として活躍できます。
教育・指導職
介護職の経験を活かし、後進の指導に携わることも可能です。HSPは他者の感情に敏感であるため、新人職員や他のスタッフのメンタルケアや指導においても、その特性を活かして良好な関係を築くことができます。施設内でのトレーナーや、介護福祉士養成校での講師などの職業に進むことができます。
管理職へのステップアップ
介護施設の管理職としてのキャリアも視野に入れることができます。HSPの共感力や繊細な感受性は、スタッフ間の調和を保つ役割を果たすうえで非常に有用です。スタッフのケアや業務環境の改善に力を注ぎ、施設全体の運営に貢献することができます。
フリーランスの介護コンサルタント
HSPの特性を活かし、介護コンサルタントとして独立することも可能です。利用者や家族のニーズに合わせたケアプランの提案や、施設運営のアドバイスなど、専門性を活かしたコンサルティング業務でキャリアを築くことができます。
HSPの介護職におけるキャリア展望のまとめ
HSPの特性を理解し、それを活かしたキャリア展開を考えることで、介護職においても充実した職業人生を送ることが可能です。自分の特性を認識し、それを活かせる分野や職種を見つけることが、HSPの介護職にとって重要なステップです。
まとめ
HSPの特性を持つ介護職の方にとって、介護の仕事は強みと課題の両方が存在します。HSPの方は、高い共感能力やリスク管理能力を活かして、利用者との深い信頼関係を築くことができますが、過度な刺激やストレスの多い環境では苦しむ可能性があります。
自分に合った職場環境を選ぶことが、快適な介護職生活を送る鍵でであり、小規模施設や訪問介護、デイサービスなど、穏やかな環境での勤務が推奨されます。
また、無理のないスケジュール管理やストレス軽減のための環境づくりも重要です。自分の特性を理解し、活かせるキャリアを目指すことで、より充実した介護職人生を実現できます。