先日、私のSNSにこんなDMが届きました。
いつもブログを拝見しています。私もHSPなのですが、高齢者介護の仕事に興味があります。
でも、繊細な私には務まらないのではないかと不安です。
ハロー介護職さんは、どのようにしてこの問題を乗り越えましたか?
同じように悩んでいるHSPの方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回は私の体験談を交えながら、HSPと高齢者介護について、そしてHSPの方に向いている介護施設の形態、さらにHSPが自分らしい介護を実現するためのヒントについてお話ししたいと思います。
こちらもCHECK
-
-
介護職が利用できる転職エージェントと求人サイトの徹底比較
ハロー介護職! あなたは日本における介護職専門の転職サイトや転職エージェントは、大体何社ほどあるか知っていますか?大小さまざまな規模のものを含めると約30~50社ほど存在すると言われています。これから ...
続きを見る
HSPと高齢者介護

HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつき非常に繊細な気質を持つ人のこと。
その繊細さは、まるで「アンテナをたくさん持った、高性能な受信機」のようです。
高齢者介護の仕事は、高齢者の日常生活のサポート(食事、入浴、排泄介助など)や、心のケア(話し相手、レクリエーションなど)など、多岐にわたります。
高齢者の感情に寄り添い、丁寧なケアが求められるため、HSPの共感性の高さは大きな強みになります。
しかし、一方で、高齢者の体調の急変、認知症による予測不能な行動、ご家族からの厳しい言葉など、精神的な負担が大きい場面も少なくありません。
私の体験談:繊細な「わたし」が、寄り添う力に気づくまで

私自身、HSPの特性に悩み、過去には人間関係で深く傷ついた経験もあります。
学生時代、グループワークではいつも周囲の意見に圧倒され、自分の考えをうまく伝えられずにいました。
社会人になってからも、職場の人間関係に悩み、何度も転職を繰り返しました。
「こんなに繊細な私には、社会で働くのは無理かもしれない…」
そう思い悩んでいた時、たまたま参加した高齢者施設のボランティアで、ある利用者さんとの出会いがありました。
その方は、認知症を患い、言葉数も少ない方でしたが、私がそっと手を握ると、穏やかな笑顔を見せてくれました。
その笑顔を見た時、私の心に温かいものが込み上げてきました。
「私の繊細さは、誰かを笑顔にする力になるのかもしれない」
そう思った私は、思い切って介護の資格を取り、高齢者介護の道へ進むことを決意しました。
もちろん、現実は決して甘くはありません。
夜勤で体調を崩したり、利用者さんの急変に動揺したり、時にはご家族からの厳しい言葉に傷つくこともあります。
しかし、それ以上に利用者さんの笑顔、ご家族からの感謝の言葉、そして何よりも自分の繊細さが誰かの役に立っているという実感は、私にとってかけがえのないものです。
例えば、ある日、いつもは穏やかな利用者さんが、急に不安そうな表情を浮かべていました。
私は、その変化に気づき、そっと声をかけました。
すると、その方は、「昔のつらい記憶が蘇ってきて…」と涙ながらに話してくれました。
私は、ただそばに寄り添い、話を聞きました。
後日、その方は、「あの時、話を聞いてもらえて、本当に楽になった」と笑顔で話してくれました。
この経験を通して、HSPの繊細さは人の心の機微に気づき、寄り添うための大切な力になるのだと実感しました。
HSPだからこそできること

HSPの人は、その繊細さを活かして、人の気持ちに寄り添い、丁寧なケアができる素晴らしい力を持っています。
- 共感力: 相手の気持ちを深く理解し、寄り添うことができます。
- 観察力: 相手の小さな変化に気づき、適切な対応ができます。
- 丁寧さ: 細部にまで気を配り、丁寧なケアをすることができます。
高齢者介護の仕事は、決して楽な仕事ではありません。
しかし、HSPだからこそできることが、きっとあるはずです。
HSPに向いている介護施設の形態

HSPの方が高齢者介護の仕事をする場合、施設の規模や形態によって働きやすさが変わることがあります。
- 小規模多機能型居宅介護:
- 利用者一人ひとりとじっくり向き合う時間が持てる
- 家庭的な雰囲気の中で、落ち着いて働ける
- 利用者との密なコミュニケーションを通して、信頼関係を築きやすい
- グループホーム:
- 少人数の利用者と共同生活を送るため、密な関係を築きやすい
- 利用者一人ひとりの個性やペースに合わせたケアができる
- 利用者との深い絆を育み、心のつながりを大切にできる
- 有料老人ホーム(比較的小規模):
- 比較的落ち着いた環境で、利用者とのコミュニケーションを大切にできる
- 施設によっては、レクリエーションやイベントが充実しており、HSPの得意な分野を活かせる
- 利用者との穏やかな時間を過ごし、心の安らぎを提供できる
これらの施設形態は、比較的落ち着いた環境で、利用者との密なコミュニケーションを大切にできるため、HSPの方に向いていると言えるでしょう。
まとめ

もしあなたが、HSPであることで仕事の適性に悩んでいたとしても、繊細なあなたの心を大切に一歩を踏み出してみて欲しいです。
あなたの繊細さは、決して弱点ではありません。
それは、誰かの心を温かく照らす、かけがえのない光です。
どうかそのことを忘れないでください。
こちらの記事もCHECK
-
-
HSPに介護職は適している?職場選びのポイントと注意点
「自分はHSPである」もしくは「HSPかもしれない」 そういった介護職の方にこの記事をぜひ読んで頂きたいです。 HSPは強みもある一方、弱く脆い一面もあり、かといって後天的に身に付いたものではなく、生 ...
続きを見る