介護現場で働いていると「この飲み物はとろみがつきにくいよね」って話題が必ず上がってきますよね。

「とろみのつきにくい飲み物は何となく知っている」
しかし、ではなぜとろみがつきにくいかを皆さんご存じですか?
この理由を理解すると、とろみがつきにくい場合の対処も身につけることができます。
ということで、この記事では以下のことを解説していきます。
- とろみがつきにくいワケ
- とろみがつきにくい場合の対処法
現役の介護士であるハロー介護職がわかりやすく解説していきます。
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この記事を書いた人

ハロー介護職
適応障害と付き合いつつ、日々介護現場で高齢者と向き合う一人の介護職。
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Contents
とろみがつかない飲料はない

実は全ての飲料は等しくとろみがつきます。
では何故飲料によってとろみのつきやすさが違うのか?そのワケを解説していきます。
とろみがつかないワケではない|とろみがつくスピードが遅いだけ
実はとろみは飲料によってとろみのつくスピードが違います。
なので、とろみがつかない・つきにくいと思っているだけで、実は時間がかかるだけでとろみはしっかりとつきます。
なぜとろみがつくスピードが飲料によって違うのか?
これを理解するためには、とろみがつく原理を理解する必要があります。
とろみ剤は飲料に投入されると、飲料内に含まれる「水」を抱き込み膨れます。
そして、かき混ぜることでとろみがつく、という原理となっています。
とろみがつくスピードが遅いワケ
ところが、飲料内にたんぱく質や脂質といった水分以外の成分があると、とろみ剤が水分を含んで膨らむことを防ぎます。
そのため、とろみがつくスピードが遅くなります。
例えばとろみがつきにくい飲料として代表的として、牛乳があります。
牛乳の成分にはたんぱく質や脂質を多く含んでいるため、牛乳にとろみがつきにくい理由はこのためです。
とろみがつかないワケではない
しかし、とろみ剤が水分を含むのに時間がかかるだけで、水分を含めないわけではないので時間をかければとろみはしっかりとつきます。

とろみがなかなかつかないから、いっぱいとろみ剤を入れたら思ったよりも強くつきすぎてしまった…
こういったことはありませんか?
これは適切な量のとろみ剤を入れたにも関わらず、とろみがつくまで時間がかかってしまうためです。
正しい対処は「とろみがつくまで時間を置く」ことなのにも関わらず、過剰にとろみ剤を入れすぎてしまうために発生してしまう失敗です。
「2度混ぜ法」|とろみがつきにくい場合の対処法

とろみがつくのに時間がかかるメカニズムはわかった。
では時間をかけずにとろみをつける方法はないのか?
こういった時に有効なのが「2度混ぜ法」です。
「二度混ぜ法」の実践方法
- 飲料をかき混ぜながら規定量のとろみ剤を投入する
- 30秒程かき混ぜる
- 5分程放置する
- 再度30秒程かき混ぜるととろみがつき始める
実は二度混ぜをすることで、一度混ぜよりも早くとろみがつくことがわかっています。
ポイントは③5分の放置時間にあります。
この5分間にとろみ剤が飲料内の水分を含んでとろみがつく準備が整っていくわけです。
5分放置で上手くとろみがつかない場合は、放置時間を長くすることで調整してみてください。
とろみが思った時につかない時の注意点
「思った程とろみがつかなかった」
こういった時に再度とろみ剤を入れてしまうことはダマの原因やとろみのつけすぎの原因となるので控えましょう。
でもついつい入れたくなってしまいますよね…

まとめ

この記事のポイント
- とろみがつかない飲料はない。とろみがつくまでに「時間がかかる」だけ
- とろみがつきにい場合は「二度混ぜ法」が有効
- とろみが中々つかないからと言って追加でとろみ剤は入れない。ダマやつけすぎの原因となる
正しい知識と手法を持って介護にあたりましょう。
参考にしてみてください。